- 「何をやってもうまくいかない気がする」
- 「失敗するとすぐに自分を責めてしまう」
- 「自信を持って行動できるようになりたいけど、どうすればいいかわからない」
上記のような悩みにつながる考え方として、自己肯定感があります。しかし、自分らしく成長するためには、自己肯定感だけでなく自己効力感も大切です。
自己肯定感と自己効力感は、心理学で扱われる概念ですが、意味や役割は異なります。
この記事では、自己肯定感と自己効力感の違いを比較表でわかりやすく整理し、それぞれの意味や特徴、自分の状態に合わせた考え方を解説します。
自己肯定感と自己効力感の違い

自己肯定感と自己効力感は、どちらも自分に対する認識に関わる考え方ですが、意味や役割が異なります。
<考え方の違い>
- 自己肯定感:自分自身をどう受け止めるか
- 自己効力感:自分ならできると思えるか
自己肯定感と自己効力感の違いを理解すると、自分に必要なのが「自分を認めること」なのか、「行動への自信を育てること」なのかを整理しやすくなります。
自己肯定感と自己効力感の違いを比較表で解説
自己肯定感と自己効力感の大きな違いは、気持ちが向けられる対象です。
| 項目 | 自己肯定感 | 自己効力感 |
|---|---|---|
| 意味 | ありのままの自分を認める感覚 | 自分ならできると信じる感覚 |
| 対象 | 自分自身の存在 | 特定の行動や課題 |
| 低い状態 | 自分を否定しやすい | 「自分にはできない」と感じやすい |
| 主な高め方 | 自分の感情や考えを受け入れる | 小さな成功体験を積み重ねる |
例えば、子どもを感情的に叱ってしまった場面を考えてみましょう。
- 「私は母親失格だ」と自分の存在まで否定する場合
→自己肯定感が低下している状態 - 「次も感情的に怒ってしまいそう」「私にはうまく対応できない」と感じる場合
→自己効力感が低下している状態
同じ出来事でも、「自分自身を否定しているのか」「行動への自信を失っているのか」によって、異なるアプローチが必要です。
自己肯定感と自己効力感の違いを一言でいうと?
自己肯定感と自己効力感の違いを一言でいうと、以下のようになります。
- 自己肯定感:ありのままの自分を認める力
- 自己効力感:自分ならできると信じる力
自己肯定感があると、失敗しても自分の価値まで否定せずに受け止めやすくなります。一方、自己効力感があると、失敗しても「次は工夫すればできる」と考え、次の行動につなげやすくなります。
自己肯定感と自己効力感は役割が異なりますが、どちらも自分自身の捉え方や行動に関わる考え方です。
自己肯定感とは

自己肯定感とは、良い部分だけでなく、苦手な部分や失敗した自分も含めて受け入れ、自分の価値を認める感覚です。
自己肯定感があるからといって、「自分は何でもできる」と考えるわけではありません。失敗したり苦手なことがあったりしても、自分自身の価値まで否定せずに受け止められることがポイントです。
例えば、仕事でミスをしたときに「失敗はしたけれど、自分の価値までなくなるわけではない」と考えられる状態は、自己肯定感が保たれている状態といえます。
自己肯定感が高い人・低い人の特徴
自己肯定感の高さによって、失敗や他人からの評価を受けたときの捉え方に違いがみられます。
| 項目 | 自己肯定感が高い人 | 自己肯定感が低い人 |
|---|---|---|
| 自分への評価 | 長所も短所も受け入れられる | 短所や失敗に目が向きやすい |
| 失敗したとき | 失敗と自分の価値を分けて考えられる | 「自分はダメだ」と自分自身を責めやすい |
| 他人との比較 | 他人と違っても自分を認められる | 他人と比べて自信を失いやすい |
| 周囲からの評価 | 評価に必要以上に左右されにくい | 周囲の評価を気にしやすい |
自己肯定感が高い人は、失敗や欠点があっても自分自身を否定せずに受け止める傾向があります。
一方、自己肯定感が低い人は、失敗や他人との比較を自分の価値と結びつけやすい傾向があります。
ただし、自己肯定感には波があり、常に高い状態を保つ必要はありません。
自己肯定感の高低だけで自分自身を評価せず、現在の状態に気づくことが大切です。
自己効力感とは

自己効力感とは、特定の行動や課題に対して「自分ならできる」と信じられる感覚です。
単に「自分は優秀だ」と考えることではなく、「この課題なら取り組めそう」「工夫すればできそう」と、自分の行動や能力に可能性を感じられることを指します。
例えば、初めての仕事を任されたときに「経験はないけれど、調べながら取り組めばできそう」と考えられる状態は、自己効力感が高い状態といえます。
自己効力感が高い人・低い人の特徴
自己効力感の高さによって、課題への向き合い方や失敗したときの捉え方には、次のような傾向がみられることがあります。
| 項目 | 自己効力感が高い人 | 自己効力感が低い人 |
|---|---|---|
| 新しい挑戦 | 「やってみよう」と行動しやすい | 「自分には無理」と避けやすい |
| 困難な場面 | 方法を工夫して取り組みやすい | 途中で諦めやすい |
| 失敗したとき | 改善点を考えて再挑戦しやすい | 「やっぱり自分にはできない」と考えやすい |
| 目標への行動 | 達成に向けて行動を続けやすい | 行動を起こす前から不安を感じやすい |
自己効力感が高い人は、困難な課題でも自分の力を信じて行動し、失敗しても方法を変えながら取り組む傾向があります。
一方、自己効力感が低い人は、「自分にはできない」と感じやすく、挑戦を避けたり、途中で諦めたりする傾向があります。
ただし、自己効力感はすべての場面で同じではありません。
「仕事には自信があるけれど、子育てには自信がない」など、課題や状況によって自己効力感の高さは変わります。
自己肯定感と自己効力感を理解すると何が変わる?
自己肯定感と自己効力感の違いを理解すると、自分が抱えている悩みの原因を整理し、必要な対処法を選びやすくなります。
<自己肯定感と自己効力感を理解するメリット>
- 自分に合ったアプローチが分かる
- 必要以上に自分を責めにくくなる
- 状況に応じて伸ばす力を選べる
自分自身を否定しているのか、行動に自信を持てないのかを区別することで、自分の状態に合った方法で向き合えるようになります。
自分に合ったアプローチが分かる
自己肯定感と自己効力感の違いが分かると、自分の悩みに合ったアプローチを選びやすくなります。
自己肯定感と自己効力感では、必要なアプローチが異なるためです。
例えば「失敗した自分には価値がない」と感じる場合は、できなかったことを責めるより、自分の感情や考えを受け入れることが大切です。
一方「挑戦したいけれど自分にはできそうにない」と感じる場合は、小さな目標を設定し、成功体験を積み重ねる方法が適しています。
自分が抱えている悩みを整理することで、自己肯定感と自己効力感のどちらに目を向ければよいのか判断しやすくなります。
必要以上に自分を責めなくなる
自己肯定感と自己効力感を区別できると、失敗したときに必要以上に自分を責めにくくなります。
なぜなら、「できなかった」という行動の結果と、「自分には価値がない」という自分自身への評価を分けて考えやすくなるからです。
例えば、子どもに感情的に怒ってしまったとき、「怒ってしまったから母親失格」と考えるのではなく、「今回はうまく対応できなかった」と捉えることで、行動の失敗と自分自身の価値を切り離せます。
自己肯定感と自己効力感の違いを理解すると、失敗だけを理由に自分自身を否定せず、次にできることへ目を向けやすくなります。
状況に応じて伸ばす力を選べる
自己肯定感と自己効力感は、どちらか一方だけを高めるのではなく、自分の状態や状況に応じて必要な力に目を向けることが大切です。
なぜなら、自己肯定感は自分自身を受け入れること、自己効力感は行動への自信に関わるなど、それぞれ役割が異なるからです。
<状況に応じた考え方>
- 自分の価値を認められないとき:自己肯定感に目を向ける
- 行動する自信を持てないとき:自己効力感に目を向ける
自己肯定感と自己効力感の役割を理解すると、自分の状態に合わせて必要な力を選びやすくなります。
自己肯定感と自己効力感に関するよくある質問
自己肯定感と自己効力感について、「自己受容感とは何が違う?」「どちらが大切?」と疑問に思う人もいるでしょう。
ここでは、自己肯定感と自己効力感に関するよくある質問に回答します。
似た概念である「自己受容感」との違いは?
自己受容感とは、自分の長所だけでなく、短所や苦手な部分も含めて、ありのままの自分を受け入れる感覚です。
自己受容感・自己肯定感・自己効力感の違いをわかりやすく整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 自己受容感 | 自己肯定感 | 自己効力感 |
|---|---|---|---|
| 主な意味 | ありのままの自分を受け入れる | 自分の存在や価値を肯定する | 自分ならできると信じる |
| 捉え方 | 「これも自分」と受け入れる | 「自分には価値がある」と認める | 「自分ならできる」と考える |
| 主な対象 | 自分の長所・短所や感情 | 自分自身の存在や価値 | 特定の行動や課題 |
例えば、失敗したときに「失敗する自分も自分の一部」と受け入れるのが自己受容感です。対して「失敗しても自分の価値は変わらない」と考えるのが自己肯定感です。
一方、自己効力感は「失敗したけれど、次は工夫すればできる」と考え、行動に対して自信を持つことに関係します。
なお、自己肯定感や自己受容感は研究によって定義や捉え方が異なる場合があります。
上記の表は、それぞれの違いを理解しやすくするために整理したものです。
自己肯定感と自己効力感はどちらが大切?
自己肯定感と自己効力感は、どちらも大切な考え方です。
なぜなら、自己肯定感と自己効力感はそれぞれ異なる役割を持っているからです。
- 自己肯定感:自分自身を受け入れ、自分の価値を認めることに関わる
- 自己効力感:「自分ならできる」と考え、行動する自信に関わる
そのため、自己肯定感と自己効力感のどちらか一方だけを重視するのではなく、それぞれの役割を理解することが大切です。
自己肯定感と自己効力感はどちらを先に高めるべき?
自己肯定感と自己効力感のどちらを先に高めるかは、一律に決めるのではなく、自分が抱えている悩みに合わせて考えるとよいでしょう。
- 「自分には価値がない」と感じることが多い
→自己肯定感に目を向ける - 「自分にはできない」と挑戦を避けてしまう
→自己効力感に目を向ける
自分自身を否定しているのか、行動に自信を持てないのかを整理することで、必要なアプローチを判断しやすくなります。
まとめ|自己肯定感と自己効力感の違いを理解して自分らしい成長につなげよう

自己肯定感と自己効力感は、どちらも自分に対する認識に関わる考え方ですが、意味や役割が異なります。
- 自己肯定感:ありのままの自分を認める力
- 自己効力感:自分ならできると信じる力
自分自身を否定してしまうときは自己肯定感、行動する自信を持てないときは自己効力感に目を向けるなど、自分の状態に合わせて考えることが大切です。
自己肯定感と自己効力感の違いを理解し、自分に必要な力を意識しながら、自分らしい成長につなげていきましょう。

